人手不足を補うITツール5選|少人数でも業務を回せる仕組みをつくる

ITツール

「採用してもすぐ辞める」「そもそも応募が来ない」という状況の中で、ITツールを活用して少ない人数でも業務を回している中小企業が増えています。人手不足の解消に直結する5つのカテゴリのツールを紹介します。

編集部では、実際に少人数で業務を回している中小企業の経営者・担当者にヒアリングを行い、「導入して本当に効果があったツール」という視点でこの記事をまとめました。

人手不足×ITで解決できること

人手不足の本質は「人が足りない」だけでなく、「人に依存した非効率な業務がある」ことにあります。ITツールで次のことが実現できます。

  • 繰り返しの作業を自動化して、少ない人数でこなせる量を増やす
  • 特定の人しかできない業務をなくし、誰でも対応できる状態にする
  • ミスや確認作業を減らし、処理スピードを上げる

【編集部より】ヒアリングした複数の中小企業に共通していたのは、「人を増やす前にまず業務を整理した」という点です。ITツールを導入する前に「この作業は本当に必要か」を見直すことで、ツールの効果が最大化されます。

ツール1:クラウド会計ソフト(経理の自動化)

代表的なサービス:freee会計マネーフォワード クラウド弥生会計オンライン

銀行口座やクレジットカードと連携することで、入出金データが自動で取り込まれます。手入力による仕分け作業が大幅に減るため、経理を兼務している担当者の負担が軽くなります。

比較項目 freee マネーフォワード 弥生
料金目安(月額) 2,000円〜 2,600円〜 2,600円〜
銀行連携
初心者向け
税理士連携

※料金は公式サイトでご確認ください。

向いている会社:経理を専任でなく兼務でまわしている会社

【編集部より】経理を社長や総務が兼務している会社では、クラウド会計の導入が最も即効性の高いツールです。銀行連携を設定するだけで毎月の手入力作業がほぼゼロになり、「月末に残業して帳簿をつける」という状況から解放されます。まず無料トライアルで銀行連携だけ試してみることをおすすめします。

ツール2:勤怠管理システム(タイムカード・集計の自動化)

代表的なサービス:KING OF TIME、ジョブカン、マネーフォワード クラウド勤怠

紙のタイムカードや手書きの出退勤管理を、スマホやICカードでの打刻に切り替えられます。月末の集計・残業計算が自動化され、給与ソフトへのデータ連携もできます。

向いている会社:勤怠集計に毎月数時間かかっている会社、残業管理が曖昧な会社

【編集部より】紙のタイムカードを手集計している会社では、月末の集計作業に数時間かかっているケースが珍しくありません。勤怠管理システムに切り替えると、この作業がほぼゼロになります。また、働き方改革関連法への対応(残業時間の把握)も自動化できるため、コンプライアンス面でも安心です。

ツール3:問い合わせ管理・チャットボット(対応の自動化)

代表的なサービス:Zendesk、freshdeskなど

お客様からの問い合わせ対応に毎日時間を取られている場合、よくある質問をチャットボット(自動応答)で対応できる仕組みを導入することで、担当者の負担を減らせます。全件を人が対応する必要がなくなり、複雑な問い合わせにだけ集中できます。

向いている会社:電話・メール対応で1日の多くの時間が取られている会社

【編集部より】問い合わせの内容を分析すると、同じ質問が繰り返されているケースが多いです。「営業時間は?」「返品はできますか?」といったFAQ対応をチャットボットに任せるだけで、担当者の対応件数を大幅に減らせます。導入前にまず「よくある質問トップ10」を書き出してみてください。

ツール4:在庫・受発注管理システム(在庫把握の自動化)

代表的なサービス:ロジクラ、zaico、クラウドPOS

Excelや手書き台帳で在庫を管理していると、棚卸しや発注タイミングの把握に人手がかかります。在庫管理システムを導入すると、リアルタイムで在庫数が確認でき、発注タイミングのアラートも自動で出せます。

向いている会社:在庫を扱う小売業・製造業・卸売業で、棚卸しに丸一日かかっている会社

【編集部より】在庫管理をExcelで行っている会社では、「担当者しかどこに何があるかわからない」という属人化が起きがちです。在庫管理システムを導入すると、誰でもリアルタイムで在庫を確認できるようになり、発注ミスや欠品も防げます。まずは無料プランのあるzaicoなどで試してみるのがおすすめです。

ツール5:RPAツール(パソコン操作の自動化)

代表的なサービス:UiPath、WinActor、BizRobo!

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、パソコンの画面操作を自動で繰り返してくれるソフトウェアです。毎日同じ手順でExcelのデータをシステムに入力する、Webサイトから情報を収集してまとめる、といった繰り返し作業をロボットが代行します。

導入にはある程度の初期設定の手間がかかりますが、一度設定すれば毎日自動で実行できます。

向いている会社:毎日同じ手順でデータをコピー・貼り付けしている業務がある会社

【編集部より】5つのツールの中で導入難易度は最も高いですが、効果も大きいのがRPAです。「毎日1時間かけてExcelからシステムにデータを転記している」といった業務がある会社では、RPAで完全自動化できます。まずは無料トライアルで自社の繰り返し業務に使えるか試してみることをおすすめします。

どこから始めるか

すべてを一度に導入する必要はありません。次の順番で検討すると負担が少なくなります。

  1. 最も時間がかかっている業務を1つ特定する
  2. その業務に対応するツールを1つだけ選ぶ
  3. 無料トライアルで試す
  4. 定着してから次のツールへ

「ツールを入れたけど使わなかった」という失敗は、一度に多くのツールを導入しようとしたときに起きがちです。1つずつ確実に定着させることが成功の鍵です。

【編集部より】導入に成功している会社に共通しているのは、「まず1つに絞って3ヶ月使い続けた」という点です。最初の1つとしては、クラウド会計か勤怠管理システムが最も導入しやすく、効果が実感しやすいのでおすすめです。

まとめ

  • クラウド会計・勤怠管理・問い合わせ管理・在庫管理・RPAが人手不足の解消に有効
  • 「自動化できる繰り返し作業」を見つけることが最初のステップ
  • 一度に全部導入しようとせず、1つずつ定着させる
  • 無料トライアルで実際に試してから導入を判断する
  • ツール導入と並行して「誰でもできる業務の仕組み化」も進めると効果が高まる
  • まず「今一番時間がかかっている作業は何か」を書き出すことから始めてみてください。それが最初のツール選びの出発点になります。

IT業界で30年近く、大企業向けCRM・CMS開発や証券系システム開発に携わってきたエンジニア。葬儀会社をはじめとする中小企業のDX支援の現場で、「ペーパーレスが進まない」「FAXが手放せない」といったリアルな壁を数多く見てきた経験をもとに、"現場で本当に使えるDX情報" を発信しています。

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