「採用のたびに履歴書の管理や面接日程の調整でバタバタする」「どの応募者がどの選考段階にいるか把握しにくい」という経営者・総務担当の方に向けて、採用管理をデジタル化する方法と使えるツールを解説します。
採用管理のデジタル化とは?
【編集部より】採用管理のデジタル化は、他のDX領域と比べて「効果を実感するタイミング」が早いのが特徴です。経理や会計のクラウド化は効果が数ヶ月かけてじわじわ現れますが、採用管理は次の1回の採用活動から日程調整の手間が目に見えて減ります。DXに慣れていない会社が最初の成功体験を得るための入り口として、実は相性が良い領域です。
採用管理のデジタル化とは、求人掲載から書類選考・面接・内定までの一連のプロセスをデジタルツールで管理することです。ATS(採用管理システム)と呼ばれるツールを使うことで、応募者情報の一元管理・選考進捗の可視化・面接日程の自動調整などが可能になります。
デジタル化で解決できること
解決1:応募者の情報が一カ所に集まる
複数の求人媒体から応募が来ても、ATSに自動連携されるため、「どの媒体からの応募か」「現在の選考状況は何か」が一画面で確認できます。スプレッドシートでの手動管理が不要になります。
解決2:面接日程の調整が自動化できる
URLを送るだけで応募者が空き日程を選べる「日程調整ツール」を使うと、メールのやり取りが大幅に減ります。採用担当者・面接官双方の負担が軽くなります。
解決3:選考の抜け漏れが防げる
「あの方への連絡を忘れていた」という事態を防げます。応募者へのお断りメールや合否通知のテンプレートをツール内で管理しておくと、対応漏れのリスクが下がります。
【編集部より】3つの解決策の中で、中小企業からの反響が最も大きいのは解決2の「面接日程の調整自動化」です。採用担当者が他の業務と兼任しているケースが多く、日程調整のためだけにメールを何往復もするのは想像以上に負担になっています。逆に解決3の「選考の抜け漏れ防止」は、採用人数が少ないうちは実感しにくいものの、複数ポジションを同時に募集するようになった段階で急に重要性が増す項目です。
デジタル化のメリット・デメリット
メリット
- 応募者情報を一元管理でき、選考状況が可視化される
- 面接日程の調整がURL共有だけで完結する
- 個人情報を適切に管理でき、情報漏洩リスクが下がる
- 採用活動の振り返りデータが蓄積される
デメリット
- 導入・設定に初期の手間がかかる
- 月額費用が発生するサービスが多い
- 社員がツールに慣れるまで時間がかかる場合がある
【編集部より】デメリットの「社員がツールに慣れるまで時間がかかる」という点について補足すると、採用管理ツールは面接官全員が使うわけではなく、実際に画面を触るのは採用担当者が中心です。他のDXツールと違い、社内展開の負担が比較的小さいというのも、導入のハードルが低い理由の一つです。
中小企業向けの取り組み方 3ステップ
Step 1:まず採用フローを紙に書き出す
「求人掲載→書類選考→一次面接→二次面接→内定」など、自社の採用フローを文書化します。これがツール選びと設定の基礎になります。
Step 2:小規模向けのATSを試してみる
HERP・engage・Recruitersなど中小企業向けの採用管理ツールは無料プランや低コストプランがあります。まず1回の採用活動で試してみると、効果がわかります。
Step 3:日程調整ツールだけでも先に導入する
ATSの導入が大変に感じる場合は、日程調整ツール(調整さんやTimerexなど)だけでも先に使い始めると、すぐに効果を実感できます。
【編集部より】3ステップの中で、実は最も効果対効果が高いのはStep 3の「日程調整ツールだけ先に導入する」という進め方です。ATS全体を導入するとなると採用フローの整理から始める必要がありますが、日程調整ツールは単体で完結するため、今日からでも使い始められます。「何から手をつけるべきか」で迷ったら、まずここから試してみることをおすすめします。
こんな状況、心当たりはありませんか?
【書類管理】
「応募者の履歴書をコピーして各面接官に配っており、個人情報の管理が不安」
ATSなら応募者情報はシステム上で管理され、権限のある担当者だけがアクセスできます。 個人情報保護の観点からも、紙での回覧より安全です。
【日程調整】
「面接の日程調整でメールが5往復以上かかることがある」
日程調整ツールを使えば「このURLから希望日時を選んでください」の一通で完結します。 応募者にとっても手間が少なく、印象も良くなります。
【選考管理】
「誰がどの選考段階にいるか、担当者がいないとわからない状態になっている」
ATSなら応募者ごとの選考状況がリアルタイムで確認できます。 担当者が不在でも他のメンバーがフォローできる体制が作れます。
【編集部より】相談を受けていて感じるのは、採用管理のデジタル化は「採用人数が増えてから」ではなく「採用活動そのものへの慣れが浅いうちに」始めた方がスムーズだということです。紙の履歴書回覧やメールでの日程調整に慣れきってしまうと、後から仕組みを変えることへの心理的なハードルが上がります。採用活動を始めたばかりの会社ほど、最初からデジタル管理の型を作っておくと後が楽になります。
まとめ
- 採用管理のデジタル化で、応募者情報の一元管理・選考の抜け漏れ防止ができる
- ATSの導入が大変に感じる場合は、日程調整ツールだけでも先に始めると効果大
- 個人情報保護の観点からも、紙の履歴書回覧からの脱却が望ましい
- まず自社の採用フローを文書化してからツールを選ぶと、設定がスムーズになる
- 採用活動の質が上がると、応募者への印象も改善され採用精度も高まる
