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勤怠管理システムの比較記事は「1人あたり月額◯円」で並べたものが多いのですが、この並べ方では実際の請求額を予想できません。月額最低利用料金がある製品、一定人数まで無料の製品、使う機能の数で単価が変わる製品が混ざっているためです。同じ10名の会社でも、選ぶ製品によって月額は0円から3,000円まで開きます。
この記事では、公式サイトで確認した料金を使って、10名・30名・50名の3つの規模で月額を計算し直します。単価だけを見ていると逆転する組み合わせがあることを、数字で示します。
出典と確認日
- スマレジ・タイムカード/ジョブカン勤怠管理/freee勤怠管理Plus の各公式料金ページ(2026年9月13日確認)
- 試算は公表されている単価を筆者が当てはめたものです。実際の請求額は契約内容によって変わります
料金とプラン構成は改定されます。申し込み前に各社の最新の表示を確認してください。
公表されている料金(2026年9月13日確認)
| サービス | 料金の形 | 無料枠・お試し |
|---|---|---|
| スマレジ・タイムカード(スタンダード) | 10名まで無料/11名以上は月額1,210円(税込)+11人目以降1人110円(税込) | 10名まで無料で利用可 |
| スマレジ・タイムカード(プレミアム) | 10名まで月額2,420円(税込)/11人目以降1人385円(税込)を加算 | — |
| スマレジ・タイムカード(プレミアムプラス) | 10名まで月額4,840円(税込)/11人目以降1人495円(税込)を加算 | — |
| ジョブカン勤怠管理 | 1ユーザー月額200〜500円(税抜)。機能1つで200円、1機能追加ごとに+100円。月額最低利用料金2,000円(税抜) | 無料プラン(機能制限あり)/30日間の無料お試し |
| freee勤怠管理Plus | 1ユーザー月額300円 | — |
ジョブカン勤怠管理の単価は、出勤管理・シフト管理・休暇/申請管理・工数管理のうちいくつを使うかで変わります。工数管理は単独では利用できません。freee勤怠管理Plusは公式ページに「1ユーザー月額300円」「初期費用ゼロ」とあり、税の表記はページ上に明示されていませんでした。
規模別に月額を計算し直す
公表単価を当てはめた試算です。ジョブカンは出勤管理と休暇/申請管理の2機能(1ユーザー300円・税抜)、freeeは300円、スマレジはスタンダードで計算しました。スマレジの加算が11人目以降であることは、公式ページの料金シミュレーションで確認しています(30名・スタンダードで基本料金1,210円+110円×20人=3,410円と表示されます)。
比べられる形にするため、税抜表示のジョブカンは税込に換算した額を併記します。freeeは公式ページに税の表記がないため、表示額のまま置いています。
| 人数 | スマレジ(スタンダード) | ジョブカン(2機能) | freee勤怠管理Plus |
|---|---|---|---|
| 10名 | 0円 | 3,000円(税抜)=税込3,300円 | 3,000円 |
| 30名 | 1,210円+110円×20人=3,410円(税込) | 9,000円(税抜)=税込9,900円 | 9,000円 |
| 50名 | 1,210円+110円×40人=5,610円(税込) | 15,000円(税抜)=税込16,500円 | 15,000円 |
※スマレジの加算は11人目以降にかかります(30名なら20人分、50名なら40人分)。ジョブカンの税込換算は消費税10%で計算した参考値です。
この試算で見えるのは、勤怠管理だけを使うなら人数が増えても差が開き続けるということです。ただし前提が変わると結果も変わります。
前提が変わると逆転する
- 給与計算まで一本化する場合:スマレジはプレミアム以上になり、30名なら2,420円+385円×20人=10,120円(税込)。人数課金型との差が縮まります
- 機能を絞る場合:ジョブカンは1機能だけなら1ユーザー200円(税抜)。30名で6,000円になり、差が縮まります
- 少人数の場合:ジョブカンには月額最低利用料金2,000円(税抜)があるため、人数割りでは計算できません。2機能(1ユーザー300円)なら6名以下、1機能(200円)なら9名以下で下限に張り付きます。5名なら1,500円ではなく2,000円(税抜)です
つまり「1人あたりいくら」は、比較の入口としては使えますが、結論を出すには足りません。自社の人数と、使う機能の数と、最低利用料金の有無を入れて計算し直す必要があります。
料金以外で差が出るところ
打刻の方法と初期費用
打刻機器を使う場合、月額とは別に初期費用がかかります。ジョブカン勤怠管理の公式サイトに掲載されている例では、ICカード打刻の機器が3,500円(Windows対応)または12,000円(iOS対応)、指静脈認証打刻が55,000円、PitTouch Proが98,000円です。
一方、スマートフォンのGPS打刻、共用PCからの打刻、各自のPCからの打刻を選べば、この初期費用は発生しません。ここからは筆者の見解ですが、現場の働き方によって選べる打刻方法は限られるので、月額を比べる前に打刻方法を決めておくほうが手戻りが少ないと考えています。
法令で必要になる帳簿が作れるか
そもそも何をする仕組みなのかは勤怠管理システムとはで整理しています。
勤怠管理システムを入れる目的の一つは、法令が求める記録をそろえることです。打刻の記録だけでは足りず、労働日数・労働時間数・休日労働・時間外労働・深夜労働を分けた集計と、年次有給休暇管理簿が必要になります。年5日の取得義務があるため、取得日数が足りない人を見つけられるかどうかも実務上は重要です。
製品を比べるときは、次の3点が自社のプランに含まれているかを確認してください。
- 時間外・休日・深夜を分けた月次集計の出力
- 年次有給休暇管理簿(時季・日数・基準日)の作成
- 36協定の上限に近づいたときのアラート(休日労働を含む集計であること)
これらが必要になる根拠は勤怠管理と法令で条文ごとに整理しています。
3つ目は特に注意が必要です。労働基準法36条6項2号・3号は、1か月100時間未満と複数月平均80時間を、時間外労働と休日労働を合わせて判定すると定めています。しかもこの2つは特別条項の有無にかかわらず適用されます。時間外労働だけを集計するアラートでは、休日出勤の多い月を見逃します。
解約したときに記録を持ち出せるか
記録の保存義務は会社に残ります。サービスを解約したあとに過去の打刻データや集計を取り出せるか、CSVなどで出力できるかを契約前に確認しておく必要があります。月額の安さで選んで乗り換えを繰り返すと、この点でつまずきます。
規模別の選び方
| 状況 | 向いている型 | 確認すること |
|---|---|---|
| 従業員10名以下、まず記録を整えたい | 一定人数まで無料の型 | 無料の範囲に集計と年休管理が含まれるか |
| 30〜50名、勤怠だけを整えたい | 基本料+人数の型 | 加算対象の人数の数え方 |
| 機能を絞って安く使いたい | 機能数で単価が変わる型 | 最低利用料金と、後から機能を足したときの単価 |
| 給与計算まで一本化したい | 上位プランまたは給与ソフトとの連携 | 連携できる給与ソフトと、二重入力が残らないか |
ここからは筆者の見解です。従業員10名前後の会社であれば、まず無料枠のある製品で客観的な記録と集計の形を作り、人数が増えた段階で改めて比較するのが無駄が少ない進め方です。最初から給与計算まで含めた大きな仕組みを選ぶと、使わない機能の分まで払うことになります。
資料で詳細を確認したい場合は、スマレジ・タイムカードの資料請求から機能とプランの一覧を取り寄せられます。
費用の位置づけと補助金
勤怠管理の費用は、人数に比例して増える項目です。規模別に何にいくらかかるかという全体像は中小企業のDX予算はいくら必要かで整理しています。人数に比例する項目と、しない項目を分けて積み上げると予算の精度が上がります。
導入費用には補助金を使える場合があります。制度の対象や申請の順番はデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の解説で扱っています。先に契約すると対象外になる点に注意してください。
まとめ
- 「1人あたり月額」だけでは実際の請求額は出ない。最低利用料金、無料枠、機能数による単価の違いが混ざっている
- 10名規模では、無料枠のある製品と人数課金の製品で月額が0円と3,000円台(税込)に分かれる
- 給与計算まで含める、機能を絞る、少人数で最低利用料金に張り付くといった前提の変化で順位は入れ替わる
- 月額より先に打刻方法を決める。機器を使うと初期費用が数千円から10万円近くまで変わる
- 時間外・休日・深夜を分けた集計、年次有給休暇管理簿、休日労働を含むアラートの3点が自社のプランに入っているかを確認する
- 解約後に記録を持ち出せるかを契約前に確認する
出典
- スマレジ・タイムカード プランと料金(2026年9月13日確認)
- ジョブカン勤怠管理 プラン・料金(2026年9月13日確認)
- freee勤怠管理Plus 料金(2026年9月13日確認)
- 労働基準法(e-Gov法令検索)
※本記事は2026年9月13日時点の情報をもとに整理したものです。試算は公表単価を当てはめたもので、実際の請求額は契約内容によって変わります。個別の事案の判断は、所轄の労働基準監督署または社会保険労務士にご確認ください。

