「勤怠管理はずっとエクセルでやってきたが、残業時間の集計ミスが続いている」「テレワーク導入で打刻管理が難しくなった」という経営者・総務担当の方に向けて、勤怠管理システムの基本とエクセル管理からの乗り換えメリットをわかりやすく解説します。
勤怠管理システムとは?
勤怠管理システムとは、社員の出退勤時間・残業時間・有給休暇の取得状況などを自動で記録・集計するソフトウェアです。スマートフォンやICカードで打刻でき、クラウド型であればどこからでも管理できます。代表的なサービスとしては、KING OF TIME、ジョブカン勤怠管理、マネーフォワード クラウド勤怠などがあります。
【編集部より】KING OF TIME・ジョブカン・マネーフォワード クラウド勤怠の3社は、どれも同じように見えて実は導入企業の傾向が分かれます。KING OF TIMEは打刻方法の種類が豊富で現場スタッフが多い会社に、ジョブカンは他のジョブカンシリーズ(経費精算など)との連携を重視する会社に、マネーフォワード クラウド勤怠は同社の給与・会計ソフトとの連携を求める会社に向いている印象です。
エクセル管理との比較
| エクセル管理 | 勤怠管理システム | |
|---|---|---|
| 打刻方法 | 手入力 | スマホ・ICカード・PC |
| 集計作業 | 手動(ミスが起きやすい) | 自動集計 |
| 残業アラート | なし | 自動通知あり |
| テレワーク対応 | 困難 | 場所を問わず打刻可能 |
| 法改正対応 | 自分で対応が必要 | 自動アップデート |
【編集部より】この比較表で特に強調したいのは「残業アラート」の有無です。エクセル管理では、残業時間が法定上限に近づいていることに気づくのが月末の集計時、つまり手遅れになってから、というケースが非常に多く見られます。勤怠システムのリアルタイムアラートは、単なる便利機能ではなく、法令違反を未然に防ぐための実質的なセーフティネットとして機能します。
導入するメリット3つ
メリット1:集計ミスと転記作業がなくなる
エクセルでの手入力は転記ミスや計算式の崩れが起きやすいです。システムであれば打刻データが自動集計されるため、月次の締め作業が大幅に短縮されます。
メリット2:労働時間の把握で法令リスクを減らせる
2019年の働き方改革関連法から、中小企業にも時間外労働の上限規制が適用されています。システムなら月の残業時間が上限に近づいた時点でアラートを出せるため、法令違反を未然に防ぎやすくなります。
メリット3:テレワーク・直行直帰にも対応できる
スマートフォンのGPS打刻や、PCへのログイン・ログアウトを打刻と連動させる機能を持つシステムもあります。オフィス以外での就業管理が課題になっている会社には特に効果的です。
【編集部より】3つのメリットのうち、経営者からの反響が最も大きいのはメリット2の「法令リスクの低減」です。2019年の働き方改革関連法以降、残業時間の上限規制は中小企業にも適用されていますが、実際に何時間残業しているかをリアルタイムで把握できている会社は少ないのが実情です。メリット1の集計効率化は総務担当者の負担軽減として、メリット2は経営者自身のリスク管理として、それぞれ響く相手が違う点も意識しておくとよいです。
把握しておきたいデメリット2つ
デメリット1:導入・運用に初期コストと手間がかかる
月額費用(1人あたり数百円〜)に加え、初期設定や社員へのレクチャーが必要です。エクセルに慣れた社員から抵抗が出るケースもあります。
デメリット2:打刻の不正リスクはゼロにはならない
「友達に打刻してもらう」いわゆる「なりすまし打刻」の問題はシステム導入後も起こりえます。GPS打刻や顔認証など、不正を防ぐ機能があるシステムを選ぶとリスクを減らせます。
【編集部より】デメリット2の「なりすまし打刻」については、GPS打刻や顔認証といった技術的な対策以上に、「システムを入れたから不正はなくなる」という思い込みが一番のリスクだと感じます。技術的な抑止力はあくまで補助であり、実際には「打刻は本人が行う」というルールの周知と、疑わしい打刻パターンがあった場合に確認する運用を組み合わせることで、初めて実効性のある対策になります。
こんな状況、心当たりはありませんか?
【集計の手間】
「毎月末に総務担当が丸1日かけて勤怠集計をしており、他の業務が止まってしまう」
自動集計に切り替えると、月次の締め作業が数時間から数十分に短縮されるケースがあります。
【残業管理】
「残業が多い社員がいるのは感覚的にわかるが、実際に何時間かは月末まで把握できていない」
リアルタイムで残業時間を把握できれば、月の途中で業務調整の指示を出すことができます。
【編集部より】相談を受けていて感じるのは、勤怠管理システムの検討がテレワーク導入をきっかけに始まる会社が多いという点です。オフィス出社が前提だった頃は、多少のズレがあってもなんとなく運用できていた勤怠管理が、テレワークで「誰がいつ働いているか見えない」という課題として一気に表面化します。テレワークを検討している、あるいは既に導入している会社ほど、勤怠システムへの切り替えの優先度は高いと言えます。
まとめ
- 勤怠管理システムは打刻・集計・残業管理を自動化するツール
- エクセル管理の転記ミスや集計負荷を大幅に減らせる
- 働き方改革関連法への対応やテレワーク管理にも有効
- 月額費用は1人あたり数百円〜が目安(公式サイトで要確認)
- まず無料トライアルで自社の規模・運用に合うか確認する
どのシステムが自社に合うか迷っている方は、比較記事もあわせてご覧ください。

